歯槽膿漏治療の際の鑑別点
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歯槽膿漏治療の際の鑑別点

歯槽膿漏(歯周病)の治療は、今や「諦めざるを得ないもの」から「治せるもの」という認識へと180度変わってきました。歯科医たち自身が、学びそして研究を重ねています。従って、治療の実際はその歯科医の腕前で千差万別だと言えます。その差が、患者さんの歯列の将来に大きく影響を与え、「天と地」ほどの差をつけかねません。歯槽膿漏というのは歯茎の病気です。歯茎の骨に根を埋めて立っています。歯と歯茎の境目から菌が入り込み、歯肉に炎症を起こします。それを放置し続けた結果、歯茎の骨が溶けて行ってしまうのです。骨が溶けると、歯の根っこが支えを失う為グラグラし始めます。気づいた頃には骨が酷く溶けていて、1~2年でごっそりと歯が抜けてしまうという事態にもなりかねません。従来は、ちょっと重くなると歯を抜いてしまい入歯にしてきました。しかし「治らない」「諦めるしかない」というかつての常識は打破され、骨もある程度の差はあれど再生する事が多くの症例で実証されて治療の大転換となりました。問題なのは症状の程度です。歯科レセコンに症状の程度を記載していくそうなのですが、名医の手に掛かれば「歯根の1/4しか骨に埋まっていないグラグラな状態」でも高率で成功をおさめます。しかし、それは患者さんの忍耐強さと協力あっての事です。ところが一方では1/2以下になれば抜く選択をする歯科医も未だ少なからずいるようなのです。歯科学校で「抜くもの」と教わってきた為に、疑いもせずそれをやってきており反省もないのです。このような歯科医に掛かってしまい、任せっきりになってしまうと悲劇を生むことにもなりかねません。頑張って治療すれば治る可能性のある歯を抜いて、早々に入歯というのはさみしいものです。治療よりも高くついてしまう事もあるでしょう。実際1/2の段階ではまだ本人が気づくほど動揺しないのが普通です。この両極端の中間のどの辺の腕なのかが歯科医探しのポイントだと言えるでしょう。